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死・マンガ表現・ツイッター

『チェンソーマン』の糞とゲロ

はじめに 以下の文章は、藤本タツキのマンガ『チェンソーマン』に出てくる糞とゲロについて色々考えたものだ。 この文章はもともとは『チェンソーマン』第1部の内容に基づいて書いたもので、11月の文フリで出すマンガ批評同人誌に載せる予定だった。しかし書…

これから「ルックバック」についておしゃべりしようと思っている人に注意してほしいこと

※以下加筆部分 この記事は、2021年8月2日に行われた作品の「修正」および同年9月発売の単行本『ルックバック』よりも前に書かれたものであり、一番最初に公開されたバージョンに即しています。最初のバージョンは今ではアクセスが難しくなってしまいましたが…

マンガ100

周囲でマンガを100本挙げるのが流行っているのでやってみようと思います。でも一気にやるのはしんどいので暇なときにちょっとずつ進めます。 これは嘘ですが、この流行りのきっかけには「さいきんいろんな作品集出てるけどどれもこれも団塊世代の視点で作ら…

⑨の誘惑:東方Projectについての試論

(ごく一部の読者のために書いておくが、私は『赤の誘惑』を読んだことがない。) 私は疲れると東方Projectの作中BGMをイヤホンで聴きながら周辺を散歩することがある。疲れていなくても徒歩移動の際にはイヤホンで聴きながら移動する。それをかれこれ十年以…

2019年マンガ 極私的10作挙げ

ある友人から「これを読んだ者はなんでも良いから2019年ベスト10を挙げよ」という呪文を受けたので、2019年のマンガについて感想とか書いていきます。ランキングにするのは順位考えるのめんどくさかったんで、10作品を並列的に挙げる感じにします。単にあん…

視界が虹色に歪んだのでMRIに行った

日記。 生きてるとたまに伏線回収みたいなことが起こる。今回の伏線は、某ソシャゲのキャラクターだった。そのキャラクターには「頭痛持ち」という悪影響のあるステータスが設定されていたのだが、昨日だか一昨日だかのバージョンアップによって、イベントを…

メッセージの量と蓄積

ツイッターで言ったことの掘り下げです。 スーパーやコンビニなどで子供がゴネているのをよくよく見てみると、子供は同じ単語や文を何度も何度も 繰り返していることがわかります。そして繰り返すごとに徐々に声量が大きくなったり、金切り声になっていった…

レジ打ちに関するサバイバーズ・ギルト

日常に関する問わず語りです。 誰かが酷いことをしているのを見て見ぬ振りした経験は誰しもあると思う。 最近、たまたまなのだが、コンビニやスーパーなどでレジ打ちをしているアルバイトの人が、客にいちゃもんをつけられたり、無駄話に付き合わされていた…

TOHOシネマズ新宿から出て5分くらいの間の経験についての日記、あるいは場所と繋がりについて

TOHOシネマズ新宿に『モアナと伝説の海』を観に行きました。存在とは動物的な快楽原則でも社会的な実用性でもなく、両者を掛け合わせた中で生まれてくる何らかの呼び声、ある種の信仰によって成立するのだ、みたいな話だったと思います。あと飛行石とか腐海…

『沈黙』観た:沈黙することの難しさ

映画の話です。 『沈黙』、角川シネマ新宿に見に行ったのですが、もう公開から2ヶ月くらい経ってるしチケット買わなくても大丈夫だろと思い、予約無しで行ったところ、見事に満席でした。地方出身者が東京で映画を見るとこういうことが起きます。 以下ネタ…

死ぬの怖い(3)―寝るのって怖くないですか

死の話3です。 寝る方法 僕の記憶は5歳の誕生日を迎える辺りから始まるんですが、その頃は夜になると両親と僕とで川の字になって寝ていた記憶があります。ある日、僕は自分がそれまでどうやって寝ていたのかを忘れていることに気づきました。睡眠とは……?…

ナイチンゲール補遺:衛宮士郎の葛藤

前回記事でちょっと足りなかったかなと思う部分があったので補足しておきます。前回はFGOについてやや非難めいたことを書きましたが、僕としてはFateシリーズ自体は「自分に都合の良い物語を語る」ことを肯定するというよりもむしろそのことについての葛藤か…

ナイチンゲールという無辜の怪物、『君の名は。』という共同体、そしてポスト真実

togetter.com 2017年のはじめに、ツイッター上でフローレンス・ナイチンゲールに関する、ある逸話が(局所的に)話題になりました。逸話と話題になった様子は上記のまとめを御覧ください。 なぜこのような逸話が掘り起こされたのかというと、Fate/Ground Ord…

死ぬの怖くないですか(2)―「何か」の声

死の話2です。 ウラジミール・ジャンケレヴィッチというフランスの哲学者がいまして、名前がロシアっぽいのは両親がロシア帝国からの移民だからなんですが、この人は『死』というそのものズバリな本を書いています。超いい本なので皆さん読んで下さい。80…

東方鈴奈庵第43話における八雲紫の胡散臭い空間

東方の話です。 鈴奈庵と茨歌仙がほぼ同時に発売され、どちらも表紙カバーに紫がいたので少し驚きました。なにせ彼女は最近になってめっきり露出が少なく、三月精や儚月抄の頃のような黒幕ポジションはマミゾウに奪われつつあったので、これはいよいよ新旧腹…

死ぬの怖くないですか

皆さん死ぬの怖かったり怖くなかったりすると思うんですけど、私は「自分がいつか必ず死ぬという事実」がもうそれこそ死ぬほど怖くて、自分が死ぬ時の光景を想像するのが止まらなくなって3ヶ月ほど不眠状態になったことがあります。 ところで今私は「自分が…