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コロンバス旅行記28:ありがたや~編

なんとスーザンさんたちのご好意でライブラリの裏側をちょこっと見せていただけることになった。めちゃくちゃ嬉しい。オフィスの中にはでかいリトル・ニモの壁紙とか等身大ガーフィールド人形とか楽しいものがいっぱいあった。コミック・ストリップの鉛版を集めて固めて作った彫刻というやばいものもあった。見せてもらいながらデイヴィス先生が浮世絵の木版を3Dスキャンして複製してみようかと思うんだけど別の研究科のスキャナ使わせてもらえないかな、とかワクワクする話をしていた。

書庫にも入れてもらった。恐竜ガーティの原画とかブラックビアードの家の写真とかオーソン・ウェルズがミルトン・キャニフに送ったファンレターとかヤバいもんがゴロゴロ出てくる。ブラックビアードというのは伝説的なコミック/パルプ・マガジンコレクターで、彼がサンフランシスコ・アカデミーの支援を受けながら作り上げたコレクションがビリー・アイルランドの大きな部分を占めている。ブラックビアードの蒐集は驚異的で、アパートか何かを14部屋ほど借りて保管していたらしい。金持ちだったのでしょうかと聞くと、全くそんなことはなくて、アカデミーの支援以外にどこから金を調達していたのかは不明とのことだった。

CXCのときに展示されていたのとはまた別の「リトル・ニモ」原画を拝見する。CXCのときにも気になっていたが、ニモの原画はコマごとに切り分けられていて、各コマがパズルみたいにパネルの上に貼り付けられている。コレクターが後からそうしたのかなと思っていたが別の原稿もそうなっていたので、マッケイがやったんですかねと訊いてみると、誰がやったのかは不明だが当時の新聞ストリップではコマを切り分けてレイアウトを試行錯誤したりコマの取捨選択をしたりすることがあったらしい。サラッととんでもなく重要なことを教えてもらった。突然現れた匿名の女性が寄付してくれたというジャングル・インプの原画も見せてもらったが、木の板の裏にマッケイが絵の具の調色を試行錯誤していた後がはっきり残っていた。いやはや!

ハーストの日曜付録を1896-1904まで読み終わる。末尾が中途半端だが、ひとつ何かやってやったぜという感じだ。コマ割りを用いたコミック・ストリップのフォーマットが確立していく過程についてはこれで最低限のヒントは得られたと思う。まだ他の新聞を読めていないので本当に最低限だが。明日から残された時間を使って『ヘラルド』カラー付録を可能な限り読む。

前に寄ったOSU御用達ドーナツ屋に入ってみる。4個頼むとドーナツ1個無料!これまで一回食事するのにだいたい10ドルくらいはかかってしまっていたが、ここのドーナツは1.5ドル~くらいで、高くても3.5ドルとかであり、2つ食べると食べ過ぎかもというくらいお腹が膨れる。もっと早く行っときゃよかった。いろいろ買っていく。アメリカ人がそういえば、パンケーキやドーナツにベーコン入れるのをずっと不思議に思っていて、ベーコンを使う時はクリームとかではなくもっとおかずパンみたいにするのかなと思っていたのだが、ベーコンドーナツを頼んだらしこたまクリームが入っていた。めちゃくちゃ美味かった。