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アメリカの古いマンガ研究の話がまったくされない

働いていて本を読む気になれないなら、スマホに電子書籍を読み上げさせて聞き流せ

話題の三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだ。いかにもハウツー本的なタイトルで読者を惹き、内容もそうした要求にきっちり応えながら、少しずつ問いをズラしていき、最終的には著者が本当に話したかったのであろう教養主義論・労働論…

新コロンバス旅行記19:また来年編

調査最終日。あっという間だった。この日記はその翌朝に書いている。空港行きのUberの到着が遅れるらしいのでポンヤリと待っている。 再びリーディングルームで授業が行われる日で、マッケイの原画や日曜コミックが机に並べられていた。その隅の方で黙々と『…

新コロンバス旅行記18:被写体編

帰国が近づいてきて緊張してきた。いま帰っても白米が食えないという噂ではないですか。帰国便は通路側席が取れたらしいので幾分か楽っぽいが……。 マッケイ関連の切り抜きがランダムに入っている箱を調査。「リトル・ニモ」やその舞台版の広告などをざっと見…

新コロンバス旅行記17:書くの忘れてた編

9月4日のぶんを書いていない。忘れてたと言うよりは流石にもう疲れてきたので寝るのを優先したというほうが正しい。いまは9月5日夕方17時半。昨日もいろいろあった気がするけどあんまり覚えてない。瞬間的に印象の強いことはツイッターに書いちゃってる…

新コロンバス旅行記16:ポコポコ編

調査再開。しかし資料出納の依頼を送るのが若干遅かったせいか、朝来ても資料が出終わってなかった。午後までには出るとの旨。しゃーないので既に出してもらっている資料のボックスに入っている、今回の調査の狙い(1900年代の日曜付録を読むこと)とはあん…

新コロンバス旅行記15:レベル8編

積んでた論文を読んで1日を終えた。だいたい授業準備の一環である。あんまり言うことない。レイバー・デイでどこも休んでるので外出もしてないし……。アルゼンチン人の同居人が引き払ったので部屋を掃除する人が来たくらいかな。 そういえば、滞在3週間目でよ…

新コロンバス旅行記15:やる気編

今日もライブラリ休み。流石にちょっとは授業準備進めておきたいが、全くやる気が起きない。というか、要するに何をすれば良いのか、どこが目的なのか不明瞭な状態のことだと思われる。よく考えたら俺は外国マンガの授業をやるというのに、読んだことのない…

新コロンバス旅行記14:休憩編

レイバー・デイに伴う三連休の初日。後期授業準備は、少なくともコロンバスにいる間の作業はほぼ諦めつつある。思えば渡米してからこっち、ずっと何かをし続けていたし、今日は完全に休みということにした。ひたすらゴロゴロする。 とはいえ、俺みたいな仕事…

新コロンバス旅行記13:必要な調査編

2週目ラスト。予想していたより進んでいない。かなり頑張っているはずなのだが……。読んだもの全てについていちいちノート取ってるからかもしれない。しかしノート取った方が良いのも確かである。渡航費を自分で払っているのでどうしてもコスパを考えてしまう…

新コロンバス旅行記12:日本人多い編

昨日のドーナツの残りを食って発進。今日明日を乗り越えればまた最高気温29℃以下の日々が戻って来るらしい……。 ご厚意で出してもらった未整理の『ワールド』を読ませてもらう。マジ未整理なので何が出てくるか分からない。結局日曜付録はほとんど出てこず。…

新コロンバス旅行記11:流石に暑い編

コロンバス、流石に37℃とかになられると日本との比較とかどうでもよく暑いっす。死にます。 『ワールド』ライブラリのオンライン登録から辿れる分は全部読み切る。というか『ジャーナル』や『ヘラルド』のようなニューヨークの他の(コミックス的な意味で)…

新コロンバス旅行記10:ジャイロ編

今週のコロンバスは最高気温35℃以上になるそうな。せっかく日本から逃げてきたのに、安住の地はないのか……と思ったが、実際歩いてみると湿気の違いなのか日本よりも全然過ごしやすい。 リーディングルームに入ってみんなに挨拶。「今日は暑いですね。でも、…

新コロンバス旅行記9:脳特許編

週明け調査。めっちゃ寝たのに午前中ずっと眠かった。 『ワールド』はジョージ・ラックスが活躍する時期に入ってきた。アシュカン・スクールのLuksだと言えばわかる人が1人くらいは増加するか?ヨーロッパでゴリゴリ絵の修業して1893年にニューヨークに戻り…

新コロンバス旅行記8:普通に仕事してて何も起こらんがな編

土日ぶんまとめて書きます。なぜまとめるかと言うと、普通に仕事してて何も起きんからです。何の仕事してるのかも微妙に書きにくいような契約の仕事なので、本当に書くことがない。在宅ワークは職場からは解放していると言えるかもしれないが、外国に行って…

新コロンバス旅行記7:エネルギー編

金曜。土日はライブラリが閉まるので、ここで一旦の区切りということになる。流石に疲れた。 1896年に突入。この年の1月第2週から、『ワールド』日曜付録は4ページから8ページに増量する。なので調査に時間がかかるようになる。これまでは1日当たり約10ヶ月…

新コロンバス旅行記6:キッド編

時間的にも体力的にも毎日割とギリギリまでやってるので、日記書く余裕がないかもしれない。以下は8/22分。 朝から湊あくあ引退にまつわる諸々で気分が下がる。明らかに会社との軋轢の話なのに、すべてを演者同士の感動エピソードへと整形して消費する連中………

新コロンバス旅行記5:モンエナ編

日本との時差13時間なので、こちらで朝起きると日本のいわゆるゴールデンタイムであり、YouTubeを見ると配信者たちがいろいろやっている。さくらみこと大空スバルの配信を見ていたらエナドリの話が出てきて、もしかすると今後の調査をやり遂げるためにはモン…

新コロンバス旅行記4:疲労編

信じられんほど疲れた。 朝起きてシリアルとバナナ食べてコーヒー飲んでライブラリ。この機械的な日々が帰ってきたな〜としみじみする。機械になるのは時として楽しい。 朝9時半から夕方4時半まで調査。昨日はあまり感じなかったが、昼休憩を挟むにしても6時…

新コロンバス旅行記3:フレッシュサルサ編

頭が痛くなるまで寝た。シリアルとバナナをコーヒーでかっ込む。前回も朝食は全てシリアルとバナナだった。すっかり健康食としてのフルグラに支配された日本と違い、アメリカのシリアルは甘みやクランチといった食としての楽しさ(というか甘さ)を前面に押…

新コロンバス旅行記2:バスと人種編

前回記事を書いてから1.5日くらい経っている。時差ボケを誤魔化すために、コロンバスに着いてから16時間くらい寝たからだ。 ワシントンからコロンバス行きの飛行機はタラップで搭乗するタイプだった。俺の席は最後部で、棚に荷物を置こうとしたら最後部座席…

新コロンバス旅行記1:ワシントン編

まだコロンバスに着いてない。ワシントン・ダレスでこの記事を書いています。 のっけから成田空港と間違えて羽田空港に来てしまう凡ミスをしでかす。前回は羽田だったんだもん。2時間前には到着していたのだが、両空港間はリムジンバスで1時間強かかるし、待…

コロンバス旅行記30:責任編

調査できる最後の日。明日はフライト。備蓄食料を整理しつつ、今日明日の朝食にするためにドーナツを買い込む。枠付けられた時間の中にいるとテキパキ動けるものだ。日本にいるときの日常には終わりがないから、備蓄食料もまぁそのうち処理しよう……ってなっ…

コロンバス旅行記29:おみやげ編

航空会社が登場前手続きをオンラインで早めに済ませとけとしつこく催促してくるようになり、ついに帰国が迫ってきたんだなと実感する。万物がそうであるように今回の滞在にも良かったところと嫌だったところがツブツブと混ざり合っていて、まだまだ居たいか…

コロンバス旅行記28:ありがたや~編

なんとスーザンさんたちのご好意でライブラリの裏側をちょこっと見せていただけることになった。めちゃくちゃ嬉しい。オフィスの中にはでかいリトル・ニモの壁紙とか等身大ガーフィールド人形とか楽しいものがいっぱいあった。コミック・ストリップの鉛版を…

コロンバス旅行記27:ド忘れ編

ここに書こうと思っていたことが絶対あったはずなのに思い出せない……。調査の話ばっかじゃなくてもっと細々とした生活のディテールも書きたいのだが、そういうのはすぐに失われてしまうな。帰る前にと思って残ったサッポロ一番を全部食べたら胃がもたれたと…

コロンバス旅行記26:コマ編

最後の週の始まり。ハースト紙を1904年まで読み終わってから、1896年に戻って世紀の変わり目に何が起こったのか見極めることにする。他にもピューリッツァーやベネットの新聞も読みたいけど時間足りない。近いうちにもう一度来ないといけない。今回の旅のマ…

コロンバス旅行記25:さよならも編

朝起きたら部屋のドアの前に袋が置かれていた。ドリアンチップスと書いてある。隣の部屋にも置かれていた。廊下の突き当りの部屋にはなく、そのドアは開け放たれていた。タイの彼女の部屋だった。どうやら朝早くにこのシェアハウスを発ったらしい。さよなら…

コロンバス旅行記24:無編

なんもせずぼんやりしていた。散歩に行ったが特筆すべきことなし。今日はホームゲームもないしみんな秋休みで店は空いてない。来週はゲームがあるのでメチャ盛り上がるらしい。来週土曜には帰るのだけど。ホームゲームの日はUberが高騰するので早めに行動し…

コロンバス旅行記23:コレポン編

3週間もアメリカにいるのだから多少英語が上達するかと思ったがむしろ悪化している気がする。中途半端に応答の形を知ってしまうと、「この場面はアレを言うべきタイミングなのか?」という問いが頭に浮かぶことで口が止まってしまう。日常会話とは考えながら…

コロンバス旅行記22:時間ねー編

滞在期間はあと1週間しかない!これから読む資料は慎重に決めなければならない。今週はCXCやらなんやらで実はあんまりリーディングルームに入れてなかった。いま1903年あたりを読んでいて、博論のことを考えると『リトルニモ』全盛期の1908年くらいまで行っ…